太陽光発電パネルに鳥が巣を作ってしまった!どう対処したらよい?
省エネでクリーンなエネルギーがもとめられている今、太陽光発電に注目している人も多いでしょう。しかし、メリットの多い太陽光発電ですが、鳥が巣をつくってしまうトラブルが起きることがあります。そこで今回は、太陽光パネルの鳥害対策についてご紹介しますよ。太陽光発電システムを検討中の人や、鳥害に悩まされている人は必見です。
太陽光発電パネルに鳥が住みつく被害が増加している
「電気設備に鳥が巣をつくることなんてほんとにあるの?」と不思議に思われる人もいるかもしれませんね。しかし、太陽光発電パネルに鳥が住み着くことは案外、よくあることです。太陽光発電パネルに巣をつくる鳥として多いのが、ハトです。公園や駅のホームなどでも見かけることの多いハトは、人が暮らしているところに近い場所に巣をつくります。
実は、太陽光発電パネルは、鳥にとって巣作りしやすい優良物件。
鳥が巣をつくりやすい場所として、
(1)高くて見晴らしが良い
(2)屋根があるすき間
が挙げられます。
巣が高くて見晴らしがよいと場所にあれば、ネコやカラスなどの外敵が近付いてきてもすぐに察知でき、屋根がある隙間では、雨風をしのいで安全に子育てできるからです。そして、太陽光発電パネルはこれらの条件をすべて満たしています。
太陽光パネルに鳥が棲みつくとなにが困る?
いくら太陽光発電パネルが鳥にとって住みやすい場所だとしても、太陽光発電パネルでの鳥の巣作りは人間にとっては、トラブルの原因でしかありません。太陽光発電パネルに鳥が棲みついてしまったときの被害としては、以下のようなことが挙げられます。
それは、太陽光発電パネルが故障する原因になることと、鳥のフンがパネルに付着して発電効率が下がることです。鳥が棲みつくと、鳥の羽・フン・巣の一部が太陽光パネルの内部に入り込むことがあります。それが太陽光発電パネルの故障にまで、つながる恐れがあるのです。また、太陽光発電システムは、パネルから取り込んだ太陽光を電気エネルギーに変換するものです。
そのため、パネルがよごれると、取り込める太陽光の量が減り、発電効率が落ちてしまうのです。さらに、鳥のフンは不衛生なもの。感染症などの健康被害も報告されています。このように、太陽光発電パネルにとっても、健康のためにも、しっかり鳥害対策をおこなっていくことが重要といえるでしょう。
鳥が巣を作ってしまったときの対処法
太陽光発電パネルに棲みつきやすいハトは、繁殖能力も高く、帰巣本能も強いです。そのため、一度巣をつくられると、どんどん被害が悪化し、トラブルも大きくなることが予想されます。鳥害対策をするのに大切なのは、なるべく早く巣を取り除き、もう巣をつくらせない対策を講じることです。
ここからは、太陽光発電パネルに鳥が巣をつくってしまったときの対処法をお伝えします。太陽光発電パネルのためにも、健康被害を防ぐためにも、ぜひ取り組んでみてください。
対処法(1)
まずは巣を取り除こう
鳥が巣をつくり始めたことに気づいたら、なるべく早く巣を取り除きましょう。しかし、巣の中に卵があったり、ひな鳥がいたりするときは注意が必要です。実は、許可なく、野生鳥獣の卵を捕獲することや、野生鳥獣を殺傷することは法律で禁止されています。そのため、もし、巣に卵やひな鳥があった場合は、処理を許可された専門業者に撤去を依頼する必要があるのです。
対処法(2)
巣をつくらせない対策をしよう
鳥のなかでも、ハトは帰巣本能が高く、一度巣を取り除かれても何度でも元の場所に戻ってこようとします。そのため、巣を取り除くだけでは、鳥害対策として不十分と言えるでしょう。防鳥ネットや電気ショックなどの対策グッズを上手く取り入れて、巣をつくらせない対策を講じましょう。
被害が出てからでは遅い!事前にできる対策法
上でお伝えしたように、鳥害トラブルは一度対策しても、すぐに同じ場所に巣をつくられて、また同じトラブルにあう可能性の高い厄介なものです。そのため、被害が出る前に、予防策を講じることが重要でしょう。ここからは、事前にできる対策法をご紹介します。
事前にできる対策法(1)
防鳥ネット
防鳥ネットとは、ソーラーパネルと屋根の間に鳥が入り込まないようにするネットのことです。防鳥ネットにはさまざまな商品が市販されており、接着剤で取り付けるものや、両面テープで取り付けるもの、金具で取り付けるものなどさまざま商品が開発されています。
防鳥ネットを使うときのポイントとしては、防鳥ネットと太陽光発電パネルのフレームの色を合わせることです。そうすれば、ネットが悪目立ちせず、鳥害対策もおこなえるでしょう。また、防鳥ネットの施工方法によっては、太陽光発電システムの保証が受けられなくなることもあるため、注意してください。
事前にできる対策法(2)
忌避剤
忌避剤とは、鳥にとって嫌なにおいのするものや、触ると嫌な感触のするもの、見た目が苦手で近づきたがらないものなどがあります。ジュエルタイプや固形タイプ、スプレータイプなどさまざまです。
事前にできる対策法(3)
電気ショック装置
電気ショックは、ハトが装置に触ると、ハトを傷つけないレベルの電気が流れる装置です。近づいてはならないことをハトに伝え、学習させることができるため、高い効果が期待できます。ただし、本体価格や設置費用も高く、10万~15万円ほどかかるので、注意しましょう。
自力で鳥の巣を撤去するのは危険がともなう
鳥の巣を取り除くためには、屋根の上にのぼって作業しなければならず、危険です。また、ここまで、防鳥ネットや忌避剤、電気ショック装置などの対策法をご紹介してきましたが、いずれの対策も落下のリスクがあり、自力でおこなうにはハードルが高いでしょう。また、鳥の羽・フン・巣には、病原菌やダニなどの感染症の原因になるものが付着していることが多いため、注意が必要です。
まとめ
この記事では、太陽光発電パネルの鳥害対策をご紹介しました。太陽光発電パネルは、高くて見晴らしが良く、屋根との間にすき間ができるため、鳥にとって巣作りしやすい場所です。鳥のなかでもとくにハトが太陽光発電パネルに棲みつくことが多いと知られています。ハトは繁殖能力も高く、帰巣本能も強いため、一度巣をつくられると、どんどん被害が悪化し、トラブルも大きくなることが予想されます。なるべく早く巣を取り除き、もう巣をつくらせない対策を講じましょう。